石檄る(イワバシル)
雪解けの雫が軒先から落ちてきます 庭の残雪の合間にまた萌え出る若草 春待つあなたの喜びはいつも私の喜びでありました あなたが此処にいないことがこんなにも不思議とは
古への何気ない歌がふと口をつくと 不意打ちのように涙があふれてきます もう堪えることは止めてよいのです 世界が涙の海になり果てるまで泣いてよいのです
大切なことはいつも単純なことでした あなたは私であり私はあなたであるのです あなたはいつも私と共に私の裡にあるのです
また再生の春がめぐってきます あなたの愛した春の魁のひかり 私の肩に裡なるあなたにそそぐでしょう
イワバシル タルミノウエノサワラビノ モエイズル ハルニナリニケルカモ
|